ニコニコが新バージョン「ニコニコ(to i)」に移行。2025年度のアップデート予定も公開

ドワンゴは、同社が運営する「ニコニコ」サービスを、本日5月28日（水） 12時より新バージョン「ニコニコ(to i)」（読み：ニコニコ トゥーアイ）へとアップデート。あわせて、2025年度のサービスロードマップを公表した。

新バージョンの名称は、「クリエイターやその活動を応援する、ひとりひとりの多様な『アイ』に寄り添い、文化とその活動を守り続け」、「さらに新たな体験や遊び方を提案し、そこから生まれるクリエイティビティがより世界に広がる場所を目指して」いくという想いを込めたものだという。

この新バージョンの下、2025年度は動画／生放送の視聴体験の向上やクリエイター支援体制の強化、そして新たなコミュニケーション機能の提供を目標にアップデートを行っていくと説明。「ニコニコ初心者・新規ユーザーの定着を目指して使いやすく」「ニコニコ文化の一翼を担うコメントをもっと楽しめるように」「クリエイターの創作活動をより一層促進できるプラットフォームに」の3つをサービス開発方針に据えている。

アップデートの一部は、すでにロードマップ公開に先駆けて展開中。例えばニコニコ動画では、4月1日から動画の高音質対応を順次進めており、プレミアム会員は最高576kbps、一般会員は最高192kbpsの音声ビットレートで動画を楽しめるようになる。

動画のシーンに合わせた “よく投稿されているコメント” を、視聴を止めることなく気軽にワンタッチで投稿できる「コメントアシスト機能」の搭載や、「おすすめ動画」機能のレコメンド精度向上も実施。またボーカロイド楽曲専門アプリ「ボカコレ」では歌詞表示機能を搭載した。

今後のアップデート予定として、ニコニコ動画アプリにおいて動画内の盛り上がりを示す「ボルテージゾーン」機能の改善や、ホーム画面上の動画リストでのプレビュー再生対応を、夏ごろを目処に実施。秋ごろにはPC版動画検索ページの利便性改善、年内には動画視聴履歴の保存件数／保存期間拡大を行うとしている。

ニコニコ生放送では、PC版ページのダークモード対応を進めているほか、複数アカウントを利用した「荒らし」行為を未然に防ぐための「予防的荒らし対策」を秋ごろに実施予定。生放送視聴画面でシークバーを操作する際、選択している位置のサムネイルを表示する機能も年内の実現を目指しているという。

ニコニコ生放送の「クリエイター奨励プログラム」においては、秋〜冬ごろまでに審査期間および奨励金受け取り手続きの大幅短縮を図る。現在、作品収入申請から奨励金獲得までの審査期間は最短30日のところ、短縮後は最短翌日に。奨励金の受け取り手続きも、最短20日後から即時受け取りまで改善する見込みだ。クリエイター支援機能「クリエイターサポート」でも、「auかんたん決済」「d払い」「ソフトバンクまとめて支払い」などキャリア決済での支払いへ年内対応を準備している。

また、新しいリアルタイム交流機能となる「ニコニコ広場」のベータ版を秋ごろ提供予定。2024年にサイバー攻撃を受けた際のバージョン「ニコニコ動画（Re:仮）」で提供していた機能をベースとしており、さまざまなブラッシュアップを行っているとのこと。

このほか、いわゆる「ショート動画」のような動画表示機能や、「ニコる」評価機能の改善、新しいギフト機能の搭載なども検討しているとのこと。検討中の内容や、アップデート時期の変更が生じた場合の報告は、随時アナウンスするとしている。