「歌がうまなるコツ教えてくれへん?」綾野剛主演!ヤクザと中学生の奇妙で愛おしい友情物語
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2024年公開の『カラオケ行こ!』をご紹介します!
『カラオケ行こ!』(2024年・日本)
(配信:Prime Video/U-NEXT/Hulu/Netflix)

価格 DVD or Blu-ray¥8,580(税込)
発売・販売元 KADOKAWA
和山やま原作の同名人気コミックを、『リンダ リンダ リンダ』『オーバー・フェンス』などで知られる山下敦弘監督と、数々のドラマ・映画脚本を手がける野木亜紀子のタッグで実写映画化。合唱部部長の中学3年生・岡聡実(齋藤潤)は、ひょんなことから知り合ったヤクザの成田狂児(綾野剛)にカラオケへ連れていかれる。組長主催のカラオケ大会で最下位になった者は下手くそな刺青を彫られるという罰ゲームを回避すべく、聡実に歌の指導を依頼する狂児。戸惑いながらも渋々引き受ける聡実であったが、次第に2人の間には奇妙な友情が芽生えていき……。

『パーフェクト ワールド』『レオン』『ローガン』など、無法者と子供のバディ映画とも呼ぶべき作品が昔から一定数あると思うのだが、邦画でその路線をいく作品もめずらしい。それも、危険が伴う逃避行へとひた走るのではなく、カラオケ店へ足を運ぶというのだから面白い。無論、見せ場となるのはカラオケに勤しむ姿だけではない。
親や教師以外で初めてまともに接する大人と出会い、家庭や学校以外の社会にも触れ、自身の声変わりに戸惑いながらも徐々に成長していく聡実。そんな聡実を見守りつつ、真剣に歌の練習に励み、時折ヤクザとしての危うさを垣間見せ、 X JAPANの「紅」を勝負曲とする狂児。そんな2人のおかしくもあり、ゆるくもあり、愛おしくもあり、胸を熱くするものをも宿した友情が、きっとあなたの胸を打つ。そして、見終えた後にはきっとカラオケに行きたくなってしまうはず……。
(C) 2024『カラオケ行こ!』製作委員会
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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。 |