「タワーレコード吉祥寺店」が待望の復活!“吉祥寺しかできない店づくり”の極意を吉野店長にインタビュー
タワーレコードの71店舗目となる新店「タワーレコード吉祥寺パルコ店」が、2025年4月11日にオープンした。タワーレコードの吉祥寺エリア出店は、2022年にヨドバシカメラ マルチメディア吉祥寺内の旧店舗が閉店して以来、約3年ぶりとなる。
そして新吉祥寺店の新天地となるのが大型百貨店「吉祥寺パルコ」のB1フロア。同業他社がひしめくオーディオ販売エリアになっており、そこにタワーレコードが出店するということで、ミュージックラバーのみならずオーディオファンの間でも話題を集めた。
そこで本稿では、オープンからまもないタイミングで店長の吉野真代さんにインタビューを実施。新吉祥寺店ならではの特色や吉祥寺という街の魅力、そして今後の展望などを、出店先がパルコB1フロアとなった率直な心境なども語ってもらった。

店舗規模以上の豊富なCDラインナップ。“吉祥寺店だからこそ置きたい作品”にもしっかりフォーカス
─── タワーレコード吉祥寺店が約3年ぶりの復活ということで、SNSを中心に大きな話題を呼びました。今回の復活オープンに至った経緯について教えてください。
吉野店長(以下吉野) 旧店舗は3年前にコロナウイルスの影響で閉店となってしまったのですが、(コロナ収束によって)段々と元の日常が戻ってきたので新店舗を増やそうというタイミングでした。ほかにも候補地はあったんですが、ありがたいことに以前から吉祥寺店の復活を望むお客様の声が本当に強くて、今回の復活オープンに至りました。
─── やはり旧店舗の閉店を悲しむ声は多かったのでしょうか?
吉野 私は旧吉祥寺店のスタッフではなかったので、改めてどういうお店だったかを調べたんですけど、「閉店します」という告知を出してから閉店するまでの間のポスト(当時のツイート)への “いいね” の数がすごく多くてびっくりしました。

フォロワー数は新宿店の10分の1なのに、これまでの吉祥寺店を振り返るポストとか、閉店関連のポストには全部4ケタの“いいね”が付いていて。他にも「淋しい」というリプライがたくさんあったり、アーティストさんが閉店についてポストしてくださったりと、本当に多くのひとに愛されていた店舗だったんだと改めて知りましたね。
復活オープンの告知をした時も「吉祥寺店が復活してる!」と、店舗の写真付きでポストしてくださっている方が本当に多くて! スタッフとしては大変ありがたく、身が引き締まる想いでした。
─── 旧吉祥寺店を愛してやまない方が本当に多かったんですね。では改めて新吉祥寺店の特色や魅力について教えてください。
吉野 お店の売場面積が約78坪程度と大規模ではないので、展示は極限までスペースを抑えて、とにかく商品を並べまくるレイアウトになっています。タワーレコードはたくさん店舗がありますけど、他店にない特徴的なお店の作り方だと思います。


肝心のCDのラインナップは約3万枚ほど揃えました。お客様に色んなCDを手に取ってもらえるよう、他の同規模の店舗ではちょっと考えられないぐらいのたくさんの枚数を取り揃えました。
展示スペースの方は新譜周り中心というよりも、吉祥寺店だからこそ置きたい作品や、吉祥寺の音楽ファンの方に喜んでもらえる作品にフォーカスすることで、より吉祥寺という街の特色を出すように意識しています。

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