先日、親戚一同で集った際、兄の子どもたち3人全員が、ワイヤレスヘッドホンを着けてiPadでゲームに熱中する姿に驚かされてしまった。聞けば、小学校での宿題もiPadから提出するなど、今やタブレット端末は学習にも欠かせない存在とのこと。かくいう筆者の息子も、幼児だが既にタブレットで日常的に動画を閲覧している状況である。

スマートフォンの普及と発展に伴いワイヤレスイヤホンやヘッドホンが当たり前となって久しいが、先述のように小さな子供がタブレットやハンドヘルドのゲーム端末を持つようになり、ワイヤレスヘッドホンもキッズ向けモデルが数多く登場してきている。今回レビューする「SoundForm Mini」も、まさにそのひとつだ。

AppleサードパーティーメーカーNo.1、Belkinの優れたモノづくり

発売元であるBelkinは、アメリカは南カルフォルニアのブランド。1980年代にガレージメーカーからスタートし、現在はスマートフォンやタブレット、パソコンなどのアクセサリー機器を手掛けるメーカーである。オフィシャルサイトによると、Appleのサードパーティー・メーカーとして、世界シェアNo. 1を誇っているという。ネットの製品レビューを参照してみると、品質とともに、特にデザインの秀逸さも高く評価されているようだ。

オーディオカテゴリでは、ノイズキャンセリングにも対応する完全ワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホン、ヘッドセット、USB-Cコネクタ付きイヤホンやオーディオアダプターなど、現在18製品がラインナップされており、豊富な製品展開力を窺い知ることができる。

その中で、子供向けワイヤレスオンイヤーヘッドホンとしてラインナップされているのが、SoundForm Miniだ。本体色は、ポップで鮮やかな水色やピンクを含む４色を揃える。

実際に手に取ってみると、大人用のそれに対して小振りなサイズ感も手伝ってか、丸みを帯びたフォルムがとてもキュートである。つや消しのマットな仕上げで、イヤーパッド及びヘッドバンド部とその他部分とで、2色構成となっていることも可愛らしい。試したサンプルはブルー色だったが、鮮やかで爽やかなカラーリングが目を引く。

箱を開けると、本体と一緒に、様々なイラストのステッカーも付属している。自由に本体に貼り付けてカスタマイズできるので、子どもにとっても嬉しい仕様だろう。

子どもに配慮したデザインと設計。安心の2年保証で親にも嬉しい

音響面では、子どもが長時間使用することを考慮し、最大音圧を85dBまでと制限した仕様とすることで、敏感な聴覚を持つ子どもの耳を守る配慮がなされているという。ほかにも、連続で30時間の使用が可能なロングライフ・バッテリーを実現することや、直感的な操作性や耐久性を備えるなど、子どもでも扱いやすい製品デザインが追求されている。子どもが使うものだけに、実売3千円程度でありながらも、しっかり2年保証というのも安心である。

ペアリングして使用してみると、まさに仕様通りの使い心地であった。適度な大きさで揃って並べられた3つのボタンは視覚的に見やすい。ボタンの凹凸自体は浅く触覚的な判断が特別し易い訳では無いが、ボタンが右側ハウジングの一箇所にシンプルにまとめられているため、一度慣れると操作も容易だろう。

ヒンジ部は必要最小限の可動域となっているほか、各部が丸みを帯びたパーツとなっているので、子どもの小さな指が入ったとしても、指が挟まれる前に手前に押し出されるようなデザインとなっている。よって、指を挟んで怪我をしたり、ヘッドホンの可動部が簡単に破損してしまうといった心配はまずなさそうだ。

剛性についても子どもの使用を想定しているだけあって、かなり優れている。アームの部分は、左右のイヤーカップを180mmに拡大し、元の状態に戻すことを、20回/分の速度で6,000サイクルテスト。反対側へ30度ひねり、30回/分の速度で5000回繰り返すねじりテストも合格しているという耐久性の高さを誇る。これで上記した「2年保証」も付帯するので、買い与える保護者心理はかなり安心なのではないだろうか。

さらに、アームとクッションパッドの部分は防水性の素材を採用しているので、「使用中に飲み物をこぼしてしまった」というアクシデントもカバーしてくれる。

「SoundForm Mini」音質レビュー：「ほどよい距離感で届けられる音」

幸い、筆者でもギリギリ装着することが出来たのでサウンドを確認してみると、耳の上に乗るオンイヤー型ならではの、若干距離感のある音の出方が印象的であった。耳とドライバーとの間が適度に保たれているのか、ダイレクトに音が届くというより、ほどよい距離感をもって音が耳に届くのである。

音色のバランスは、全体的に刺激の少ないマイルドな音質だ。高域は適度な穏やかさがあり、ベースが豊かでふくよかなサウンドである。きらびやかさや刺さるような音がなく、長時間の使用でも聴き疲れが少ない音質と言える。クセがなくソフトなので、ジャンルを選ばない。

最大85dBという設計通り、音量をマックスにしてもうるさくない。これであれば、子どもが不意に音量を上げすぎても耳へ過度な負担がかかることないので安心だ。総じて、3千円ほどという値段を考えると、デザインを含めて、よく出来たヘッドホンである。

息子にも装着してみたが、まず、見た目が良い。キッズ向けといえど、いかにもといったような派手なカラーの組み合わせや、ポップさを強調した子供っぽいデザインではないところが良いのだ。シンプルなフォルムやカラーが、逆に子どもならではの可愛らしさを引き立ててくれるデザインだと感じる。あざとさや、わざとらしさがない。子どもに買い与える立場として、ファッション的な観点からも、幅広い層に受け入れられる製品と言えるのではないだろうか。

残念ながら、年齢的なこともありサウンドに対しての寸評は本人から貰えなかったが、親としては、デザイン同様に、メリハリに富んだ個性豊かなものより、このようなバランスよく、なおかつソフトな音質のヘッドホンを使用してほしいと思った。合計数時間使用したが、電池の減りも少なく、軽量な本体でありながら、十二分なバッテリーライフが実現されていそうな点も好印象だ。

万が一にもバッテリーが切れた際には、付属の3.5mm to 3.5mmケーブルを用いた有線接続も可能。ペアリングをせずにプラグアンドプレイで楽しむ手軽さや、3.5mmジャックを備えるAndroidタブレットを使用するユーザーにとってはありがたい選択肢を残してくれている。

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「SoundForm Mini」は、親しみ易いシンプルなフォルムと、ソフトなサウンドが楽しめるヘッドホンである。特に、シンプルでありながら美しい曲線によるデザインと配色は、キッズ向けヘッドホンの中でも上質なものだ。

子ども向けといえども、的確なサウンドバランスと、派手すぎない、質の高いデザインを両立。加えて、配慮ある設計と2年保証により、幅広いユーザーに安心してオススメできる、良質なプロダクトだとレポートしたい。

（提供：ベルキン）